『MOZU』北九州ロケ地あれこれ 最終回

 最終回は、衝撃のシーンの連続で、これまで以上に1時間があっという間でした。MOZUがまさに早贄状態になってしまうシーンは、一瞬固まってしまいましたが、その後の執念もすごかったですね。大杉の瞬時の判断と爆発で飛ばされても死なないところもさすがでした。多くの謎が渦めいていたこのSeason1の中で、謎が解けた部分はすっきりしましたが、例えば、美希の父親のことやダルマの正体など、まだ解けていない謎もあります。それから、番組最後の海から手が伸びるシーン、これらは、Season2に繋がる話なのでしょうね。Season2、何としても観なくてはなりません!

それでは、最終回のロケ地紹介です。

 ●津城特別監察官の個人事務所⇒旧八幡西区役所・本館(八幡西区筒井15-1)

最終回でもやはり出ました。結局ここは、津城特別監察官の個人事務所、室井を尋問する部屋、アテナセキュリティ出入りの廃病院、葵美の遺体を安置していた部屋、若松警視(公安二課長)が雨を凌いで電話するシーン、また、別館は、拷問部屋として、このSeason1では欠かせないロケ地でした。室内でセットを組むシーンがほとんどで、1ヶ月間の北九州ロケにあって、天候に左右されない、大変便利な現場でした。建物横の立体駐車場では、美術スタッフの皆さんが、爆弾テロ事件現場用のがれき作りのため、発泡スチロールを毎日加工していたり、夜中のロケでは、照明をたき、大雨を降らしたり、いろんなことがありました。

  

  

  

●空港ターミナルビル⇒北九州空港ターミナルビル(小倉南区)、JAR小倉競馬場(小倉南区北方4-5)、AIMビル2Fガレリア(小倉北区浅野)

警察が血眼になって爆弾を探すシーン、避難を促され人々がパニックになるシーン、そして爆弾が爆発して、大杉が大統領の子どもを救うシーン、これら空港のシーンは、北九州空港とJRA小倉競馬場、AIMビル2Fガレリアの3箇所です。大きな吹き抜けの構造とスケール感を生かし、本物そっくりの装飾を施せば、国際空港そのもの。北九州でしかできない『合わせ技一本』といったところでしょうか?空港関連のシーンでは、のべ1500人以上の皆さんにエキストラ出演していただき、迫力の映像を収めることができました!空港シーンの人の多さ、あれが全てエキストラだなんて、何度観ても信じられません。担当しておいて、何を今更という感じですが・・・・。

※写真は、上段:北九州空港、中段:JRA小倉競馬場、下段:AIMビル2Fガレリア

  

  

  

●大統領が到着する空港⇒北九州空港(小倉南区)

大統領一家が飛行機から降り立つ空港は、もちろん北九州空港です。旅客機が出入りするエプロン部分は使うことができませんので、最も北側の貨物機専用部分の一部を、貨物機の出入りがない日に、特別に使わせていただきました。出迎えの音楽隊やマスコミ、政府関係者など、多くのエキストラの皆さんにご協力いただきましたが、日頃立ち入りできないエリアでの撮影で、皆さんに大変喜んでいただいたロケでした。ちなみにこの日は、朝から大雨。これまで順調に進んでいたロケも、ついに延期か・・・なんて思いながら現地入りしましたが、撮影開始時間が近づくにつれ、大雨→小雨→曇りとなり、最後は晴れ間まで見え始め、奇跡的にスケジュール通りロケを行うことができました!天気をも味方に付ける羽住組、恐るべしでした。しかし、もっと恐るべしだったのが、BOSS日々谷。「ロケに雨具なんて縁起が悪い」とでも言うかのように普段通りのロケスタイル。それが運を手繰り寄せたかのような偶然とは思えないこの結果。一体、どうなってるんでしょうか?

  

 

●車で搬送される倉木が車中で暴れるシーン⇒北九州空港周辺道路(小倉南区空港北町)

倉木が室井の手に落ち、手錠をかけられて搬送されるシーン。車中で暴れるシーンは、北九州空港周辺の道路を走行しながらの撮影でした。空港の連絡橋も一瞬映っていたので気づいた方もいたのでは?しかし、撮影内容とは裏腹に、秋晴れで爽やかな日だったのを思い出しました。重装備の撮影車両と倉木が乗った劇用車は、監督の「OK」が出るまで、何周も空港の外を走っていたなぁ。

   

●倉木を乗せた搬送車両がトンネル内でスピンするカーアクションシーン⇒本城第3トンネル(八幡西区大字本城)

倉木が車中で暴れて、車がスピンするカーアクションは、八幡西区の本城第3トンネルでの撮影でした。上下線とも2車線ずつの幹線道路にある3連トンネルの一つです。この第3トンネルが最も長く、また緩やかにカーブしているのがこのシーンにマッチして撮影の舞台となりました。歩道も車道並みに十分な幅を備えていて、ロケーションは申し分なし。通行規制についても、反対側の2車線を対面通行とすることで、迂回誘導を行うことなくクリアできました。ただ、唯一の問題が、この道路の舗装にありました。ここは、継ぎ目のない特殊な舗装がされている道路だったため、万が一、アスファルトに傷や窪みなどを作った場合、その箇所だけの補修では済まない、つまり、莫大な補修費用がかかるということでした。

私の心配をよそに、スタッフたちは、打ち合わせ段階から入念な準備を行い、いよいよ撮影当日。緊張の中、通行規制を無事完了!そして、撮影車両と劇用車は、颯爽とトンネルの中に消えてゆきました。中でのシーンは、皆さんご覧のとおりです。凄すぎました。朝9時~夕方4時まで、このシーンを徹底的に撮り、事故もなし。驚きは、あの心配した路面に傷一つなし。撮影後、現場確認しながら、改めて羽住組の凄さを思い知った私でした。

ちなみに、この日はこの後、足立公園で深夜ロケでした。底なしの体力、気力・・・羽住組。

   

●倉木がMOZUの血痕を辿りながら追う通路、バックヤード⇒JRA小倉競馬場地下通路(小倉南区北方4-5)、西部ガス冷温熱㈱浅野事業所(小倉北区浅野3)

「倉木が後を追う長い通路がほしい」、監督のイメージに合うロケーションを探しに探してたどり着いたのが、JRA小倉競馬場の長い長い地下通路と小倉駅の北、AIMビル周辺の巨大地下施設の西部ガス冷温熱㈱です。多くの方々を介して現地を見た時は感動と安堵、そして、採用となるかどうかの不安など、様々な思いが交錯した場所です。普段は関係者以外は決して入ることができませんので、ロケ地巡りしていただけないのが残念です。

※左、中央がJRA、右が西部ガス冷温熱㈱

  

●復旧中の爆弾テロ事件現場⇒小倉井筒屋クロスロード(小倉北区船場町1-1)

最後の締めはやはりここです。爆破シーンをはじめ、のべ6日間に及ぶ通行規制による撮影ができなければ、このMOZUも、やはり映像化不可能だったかも知れません。全10話の中で、回想シーンも含めて、出ない日はなかったのではないでしょうか?

  

  

  

4月からスタートした『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~』もついに終わってしまいました。思えばちょうど1年前、このドラマの話をいただき、無我夢中でロケ地探し、交渉、調整を行い、気がついたら、季節は秋。10月末から北九州ロケがスタートしました。それから1ヶ月、30箇所以上でロケが行われ、撮影が終わってふと気がついたら、世間は年末モードでした。そんな思い出深い『MOZU』も今回の放送で一区切り。このロケ地あれこれも最終回を迎えました。張り切ってスタートしたものの、あまりに紹介場所が多く、特にEpisode5は、いつ書き終えるのかと気が遠くなる思いを抱いたことも・・・。しかし、これもFCとしてうれしいことと言い聞かせ、皆さまからのコメントも大変励みになりました。ありがとうございました。

映像化不可能と言われた『MOZU』が北九州で映像化を可能にした事実。それは、エキストラ、ボランティア、撮影協力、応援してくださった多くの皆様のおかげだと、このあれこれを書きながら改めて思いました。

これからも、引き続き、ご協力よろしくお願いします。

(HIRATANI)

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5件のフィードバック

  1. nekosan より:

    最終回は、三人三様、そして、もず美ちゃんがまるでターミネーターのように感じられた一時間でした!ド迫力のラスト感無量です。最後の最後まで、ロケ地あれこれ、ありがとうございました!きっと、ラストの、あれこれは、ボリューム満載だと信じていましたよ(^_^)余計にMOZUロスになってしまいそーだけど、、、まだまだ終わりではない!明日当選連絡を楽しみにしています(*^_^*)

  2. クロ より:

    MOZU最終回良かったです。新谷宏美(池松壮亮さん)の演技には迫力が引き込まれました。新谷宏美(池松壮亮さん)が新谷和彦(池松壮亮さん)を思う気持ちシーンがあたたかく何度も涙しました。ロケ巡りでは大変参考にさせて頂いて1人でMOZUごっこ(巡り)しました。Season2も楽しみにしてます。勿論、倉木尚武(西島秀俊さん)のアクションシーンも素敵でした。

  3. MIKU より:

    MOZU北九州ロケ地あれこれも最後になり残念です(*_*)
    馴染み深い場所があったり、近所だったりと…大興奮で楽しませてもらいました‼︎
    エキストラにも参加出来たので、幸せ一杯です★MOZU最高〜‼︎‼︎

  4. 北九州FCファン より:

    一言だけ辛口を。
    国際空港なのに外国人がいない!

  5. Nisi より:

    北九州空港とは思えない、国際空港の雰囲気づくりがさすがだと感心しました。小倉競馬場と AIMの吹き抜けを合わせたものだったのですね^^

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